ガレージキットとは
“ガレージキット”とは、「既製のプラスチックモデルに飽きたらず、自身の造形的ニーズやクオリティにこだわるマニアたちが、自分自身で造りあげた原型をもとに型取りし、レジンキャストで生産する手作りの模型」のことを指します。
ガレージキットとして販売するには、原型ができあがってから、シリコーンゴムによる型の製作と生産(液状樹脂の注型)の工程が必要です。
“ガレージキット”とは、「既製のプラスチックモデルに飽きたらず、自身の造形的ニーズやクオリティにこだわるマニアたちが、自分自身で造りあげた原型をもとに型取りし、レジンキャストで生産する手作りの模型」のことを指します。
ガレージキットとして販売するには、原型ができあがってから、シリコーンゴムによる型の製作と生産(液状樹脂の注型)の工程が必要です。
左上からシリコーンゴム(主剤、硬化剤)、油粘土、原型、へら、彫刻刀です。
まずは原型の半分を油粘土に埋める作業からスタートです。
油粘土を板状に伸ばし、粘土ベらで原型の厚みにあわせて彫り込みます。
原型のかたちに油粘土が彫りこまれました。この油粘土の上面がゴム型の分割面となりますので、なるべく水平になるようにしましょう。
粘土の上に原型を置き、分割面より下に隙間ができないようにへらで丁寧に油粘土を詰めていきます。隙間があるとシリコーンゴムが回り込んでゴム型から原型をはがすとき原型を破損します。
原型が埋め終わりました。
表面にゴミが残っていないか確認しましょう。
原型の周囲にダボを作ります。
ダボとは、2つのゴム型をあわせたときズレを起こさないための凹凸のことです。
ダボを打ち込み終わり、周囲に壁を立てるため余分な粘土を取り除きます。壁としてプラ板など薄いものを使用する場合は、周囲の粘土を切り取らずに粘土に直接プラ板を打ち込んでもOKです。
シリコーンゴムを流し込むために周囲を壁で囲みます。
全面に薄く離型剤を塗ります。
シリコーンゴムの主剤に硬化剤を投入しています。泡立てず素早く撹拌(かくはん)します。
型枠(表面)にシリコーンゴムを流し込みます。 原型の表面に接する最初のシリコーンゴムは流動性の高いものを使用し、細かいモールドの隅々までゴムがゆきわたるようにします。原型表面に気泡ができないように注意しましょう。
原型表面をシリコーンゴムでコーティングしたら、次はゴム型に強度をもたせるため硬めのシリコーンゴムを一気に流し込みます。
ゴム型(表面)のシリコーンゴムが硬化後、全体を裏返して油粘土を取り除きます。ゴム型や原型の表面をクリーニングし、原型がゴム型から浮き上がってないことを確認してから全面に離型剤を塗布します。
残り半面のシリコーンゴムを流し込みます。
これで、原型の裏表ともシリコーンゴムで覆われました。
ゴム型(表面)のシリコーンゴムが硬化後、全体を裏返して油粘土を取り除きます。ゴム型や原型の表面をクリーニングし、原型がゴム型から浮き上がってないことを確認してから全面に離型剤を塗布します。
残り半面のシリコーンゴムを流し込みます。
ゴム型をきれいに分けることができました。
ゴム型を分けただけでは原型の周囲が完全に閉じられていて樹脂を流し込むことができません。樹脂を流し込むための道(プラモデルのランナーに相当するもの)を湯だまりにつながるように彫刻刀で彫り込みます。
湯だまりとランナーが彫り込まれゴム型が完成しました。
※湯だまり:樹脂を少しずつ流し込んでいると途中で樹脂が硬化してしまいます。一気に流し込むために、注ぎ口をじょうご状にします。一回に流し込む量がすべて入る大きさの湯だまりができればベストです。
(写真の左上から)カップ(ホビーショップなどで売られている軟質の計量カップがよい。小さい商品であれば紙コップを使い捨てても可)、はかり、レジンキャスト(樹脂)の主剤と硬化剤です。
ゴム型に離型剤を塗り、型ズレしないようにダボをしっかり合わせてゴムバンドでゴム型をしばります。樹脂を中に流し込むとゴム型を外に向かって押し広げる力がかかるので板を添えてしばることで製品の変形を防ぐ効果があります。
樹脂の主剤と硬化剤を計量し正しい比率(重量比)で2液を混合してください。混合すると直ぐに硬化が始まりますので、素早く、しかし泡立てないように撹拌(かくはん)して流し込みます。
ゴム型ごとに必要な樹脂の量をメモしておき毎回決まった量の樹脂を作ることでコスト的にも効率があがります。
ゴム型に混合した樹脂を流し込みます。
湯だまりにつながったランナーが樹脂で満たされるまで注ぎ込みます。樹脂が足りなくて成型不良になるのが不安であれば湯だまりが樹脂でいっぱいになるまで注ぎ込みます。
樹脂が硬化するとき熱とガスが発生しますので換気に気を付けましょう。
湯だまりの樹脂が固まれば、ゴム型をはがすタイミングですが、厚みのあるパーツや気温によっては完全硬化まで時間がかかることがあります。
添え板を外してから、ゴム型をはがしていきます。
ゴム型から製品を外すときは竹べらなどを使用すると製品やゴム型を傷つけることなく容易に外すことができます。
製品から余分な湯だまりやランナーをニッパーで切り離して完成です。
パーツに欠けや変形がないか確認してビニール袋などに入れて保管します。
ゴム型は樹脂の硬化熱で暖まっていますので次の樹脂を流すまで少し時間をあけた方が樹脂の硬化が不必要に早くなるのを防げるうえ、ゴム型の寿命をのばします。